2009年12月13日

岡山museum tour vol.3

 2日目。
 犬島へ向かうため、フェリーが出ている宝伝港へ。
牛窓から宝伝港へは海岸沿いかと思いきや、何度か山越えし、間もなく宝伝港というところで、遠かった犬島がはっきり見えてきました。あいにく曇り空でしたが、そんなことは気にならないくらい、煙突が突き刺さる犬島のなんともいえない光景に目が釘付け。
フェリー乗り場に付き、いよいよ出発!いざ犬島へ。

 犬島は宝伝港よりフェリーで約5分。瀬戸内海に浮かぶ小さな島。
そこには1909年より10年操業された銅の精錬所が残っており、現在、犬島アートプロジェクトとして、この近代化産業遺産である精錬所の遺構を保存、再生し、三分一博志さんの建築とその建築とコラボレートしている柳幸典さんのアートワークと共に公開されています。

 フェリーに乗り、徐々に近づく犬島にテンションが上がりながら、あっという間に到着。降りるとすぐに見学ツアーの受付をしている建物(チケットセンター)が見えます。見学ツアーは予約制。予約者は集められてツアーの説明を受け、1人のスタッフに約10名くらいの班に分けられ出発。

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 海岸線の長いアプローチを経て、精錬所の門をくぐるとそこに見えるのは深い歴史を感じる遺跡のような世界。一体は銅の精錬過程に発生する鉱滓からなるカラミ煉瓦がふんだんに使用されており、この深い赤茶色の煉瓦は少し光沢があるためか光の加減で色合いが変わり、陰影をさらに引き立てているように感じました。

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 最初に案内されたのは三分一博志さんの建築+柳幸典さんのアートワーク。建築としては環境に負荷を与えないよう、自然エネルギーや煙突、カラミ煉瓦などの精錬所の素材を導入し、内部の温度を一定に保つ工夫がされているものでした。
 その中に柳幸典さんの三島由紀夫に関する5つの作品が建築と一体化していて、スタッフの指示のもと順に鑑賞。まず、小説「太陽と鉄」のイメージの作品でカラミ煉瓦と耐候性鋼板に囲まれた細長い通路に、ある仕掛けがあり、その不思議な光景と空気感は今まで体験した事のない意外性のある空間でした。そして、三島由紀夫邸の建具が飾られているアースギャラリー。その建具の配置と光の入り方、映り方、どれをとっても美しく信憑性を感じられる空間でした。このホールが夏は冷たく、冬は暖かくなるよう設計されている仕掛け等、作品に加え建物の説明を受けながら、順に作品を鑑賞し、最後は檄文を展示した明るい空間へと続きます。
 作品自身はとてもおもしろく、見応えがありましたが、三島由紀夫という人物のギャラリーで、なぜか暗い通路に始まり明るい空間で終わる動線、適温に調節されたメインホール等々、少し腑に落ちない部分も…。きっちり時間配分し案内される感じもギャラリーというよりアトラクションといったイメージを受けました。

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 その後、先ほどの建築物の屋上にて、建物の環境システム等の説明を受け、少し手入れされながらも、当時の風景を思わせる丘の小道を辿りながら、精錬所の遺構を巡りました。破損しながらもそびえ立つ大煙突と、カラミ煉瓦が作りだす情景は近代化産業遺産というより、フォロロマーノを連想させるような壮大さをも感じるもので、まだ90年しか経ってないことに違和感を覚える程でした。
 最後に、カラミ煉瓦が一定の間隔ごとに積み上げられている空間へ。そこは荷物置場だったそうですが、その色合いと古びた感じがなぜかもっと深い歴史と何らかの理由を持つ場所のように見えました。
 そしてツアーは終了し、その場で解散。一部自由に見ていいというところがあり、その周辺でまったりと精錬所の情景を楽しみました。

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 その後見学を終え、チケットセンターで昼食に祭り寿司を食べ(売り切れだったが、たこめしが美味しいらしい)、フェリー乗り場の対角にある海水浴場まで、精錬所の裏側や島での生活を覗きながら歩き、浜辺にあるアート作品を見て、小島が浮かぶ瀬戸内海の風景を楽しみました。
 そして夕方、フェリーで帰路につき犬島をあとにしました。

 1日目に見た奈義町現代美術館と今回の精錬所。どちらも建築とアートが一体化する作品でした。コンセプトが異なる為、単純に比較はできませんが、建築+アートという点に着目すると、確かにどちらも設計段階から展示するアートの空間性を深く、緻密に考慮し、その独特な作品性を空間全体で表現するものでしたが、建築と作品が一体化し、自然な形で作品に触れる面白さがあるのは奈義町現代美術館でした。精錬所のアートギャラリーは精錬所の遺構の迫力が壮大で、建築、アート共に理由を付けて付随している感じに少し違和感がある気がしました。犬島全体としては、あまり類を見ない重く深い雰囲気を持つ島で、本来の歴史と見て感じるものにギャップがあるところも感慨深いおもしろさがありました。このアートプロジェクトも第1期とのことなので、今後の展開が楽しみです。また、ゆっくり堪能しに行きたいと思います。

by nit


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